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2016.09.13
NHKスペシャル -統計学で地震を予報する-が放映されました。

シリーズ MEGA CRISIS 巨大危機 ~脅威と闘う者たち~

第2集 地震予測に挑む ~次はいつ どこで起きるのか~

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9月12日21:00-21:49に放映された本番組の中で特集された「統計学で地震を予報する」は大きな反響を呼んでいます。(http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160911

この中で統計数理研究所の尾形良彦名誉教授の地震の発生確率を統計学で調べる研究を特集しており、その概要はniftyニュースに次の通りまとめられています。(https://news.nifty.com/article/item/neta/12158-20160912063/

● 統計学を用いて天気のように地震を予報することは可能なのか

これまでに紹介した地震学とは全く異なるアプローチで地震予測を試みている研究者もいる。それは統計学を用いた「地震予報」。統計数理研究所の尾形良彦名誉教授は、地震の発生確率を統計学で調べる研究を行っている。

○ 統計による地震予測の確度

統計学とは、交通事故や病気の発生などを数学的に分析する手法。例えば交通事故なら、事故がいつ・どこで起きているのかをデータを集め分析し、起きやすい場所や時間帯のパターンをあぶりだすことで、ある場所で今後に事故が起こる確率を予測する仕組みだ。これを地震にも応用するという。

尾形名誉教授は、1926年からの数百万にもなる地震データを取得・解析し、2003年に自らの理論を記した論文を発表。尾形名誉教授が地震(M4以上の内陸地震)が起きやすいと予測した9つの場所のうち、実際に6地点でその後に大きな地震が起きたことも確認されている。

「地震がいつ起きやすいか」という点も尾形名誉教授は予測しようとしている。全国を10km四方に区切って解析すると、時間がたつにつれて地震の発生頻度が地域によって異なることがわかった。こうしたパターンを読み解き、ある地域で今後、どれだけ地震が起きやすいかを計算する数式を導き出した。天気予報のように、地震が起きる確率が刻々と変化する様子を見られるようにしたいと尾形名誉教授は考えている。

「地震活動というのは極めて統計的なアプローチをしないと、(地震活動の)背後にある物理的な要素はわかりません。できるだけ近い将来にこういうことが積み重なって(地震の)確率予報ができるとすれば、こういう努力なしには難しい」。

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 尾形名誉教授は、統計数理(2015)第63巻第1号1–2の中で“「特集 地震予測と統計モデル」について“と題して以下のように述べられています。

「地震にかかわる統計学 (統計地震学)抜きでは地震予測の研究自体が難しくなっている.このように,統計地震学は現在,地殻という複雑系の研究と地震予測にとって必須であることを理解していただきたいと思う。」(http://www.ism.ac.jp/editsec/toukei/tokeisuri-63j.html#NO1)

 

統計学があらゆる方面で活用され、社会に貢献する姿に胸を打たれる想いです(大槻)。