日本計算機統計学会第32回大会が、5月26日、27日の二日間に渡り、山口大学で開催されました。共通教育棟の1号教室と2号教室をメイン会場とし、二日間に及ぶ熱心な発表と質疑応答がなされ、大変活気に溢れた学会であったと思います。
山口大学風景
学会場の共通教育棟の建物
初日の学生研究発表セッションは、2006年に当学会が研究発表の場として創設したセッションですが、今回は8組の発表があり、2名の方が「学生研究発表賞」を受賞されました。毎回多くの学生の方が、自分たちの研究成果を発表され、先輩方の貴重なコメントを得られる良い機会として利用されております。
会場の風景
初日の午後は2つの一般セッションの後、今年は明治維新150年に当たることを記念して「長州ファイブ~近代日本の基礎を築いた若者たち~」と題して、NPO法人防長史楽会の松前了嗣様の特別講演が行われました。文久3年(1863年)にイギリスに密航した長州藩出身の5人の若者、井上馨、遠藤謹助、山尾庸三、伊藤博文、井上勝に焦点を当てた大変興味深い講演でした。彼らがイギリスで学んだユニバーシティ・カレッジ・ロンドンは、1900年代初頭における統計学のメッカとして、ピアソンやフィシャー、スピアマンなど著名な統計学者たちを輩出した大学でもあり、150年前の長州藩出身の5人の若者と日本計算機統計学会第32回大会のつながりにご縁を感じました。
初日の終了後、懇親会場に向かう途中で立ち寄って瑠璃光寺の五重塔を見学しました。この塔は全国に現存する五重塔のうちで10番目に古く、美しさは日本三名塔の一つに数えられ、室町中期における最も秀でた建造物と評されているそうです。
瑠璃光寺の五重塔
初日の夜には、山口市菜香亭(やまぐちしさいこうてい)で懇親会が開催されました。菜香亭は歴史豊かな山口の観光拠点として、また市民交流の場として平成16年10月2日に開館した施設とのことです。明治10年の創業から平成8年までの間、広く親しまれてきた料亭〈祇園菜香亭〉を移築復元したもので、井上馨や佐藤栄作など著名人の扁額29枚とゆかりの所蔵品が展示されており、彼らの達筆に感銘いたしました。
懇親会場の山口市菜香亭と懇親会風景
http://www.oidemase.or.jp/tourism-information/spots/12540
二日目は、一般セッションが3つ、特別セッションが2つ、スタディグループセッションが1つ行われ、初日と劣らぬ熱心な発表と質疑応答が行われました。
天候にも恵まれ、多くの参加者を集めて盛況に終了した第32回大会でしたが、実行委員長の中央大学理工学部の酒折文武先生をはじめ、開催の準備から運営・手配にご尽力いただきましたスタッフの方々に御礼申し上げます。
株式会社日本統計技術研究所
代表 医学博士 大槻成章