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2016.08.26
【一元配置分散分析】について

One-way Analysis of Variance (One-way ANOVA)

分散分析は、非常によく利用される多彩な解析手法であり、一元配置分散分析(One-way ANOVA)と二元配置分散分析(Two-way ANOVA)が主なものです。

一元配置分散分析は、2群間の検定であるt-検定を3群以上の多群間に拡張した検定法であり、多群間全体を一括して検定します。例えばA群、B群、C群の3群ならば、ABCの3群間全体で有意な差が生じているかを検定します。この段階では、3群の中でどの群が有意に離れているかどうかは問わずに、あくまで3群全体で同時に検定を行います。

次に、この全体で有意になれば、ABCの任意の2群の組合せ(A対B、A対C、B対C)のどの2群間で有意差が有るかを検定します。これが、ad hoc(事後)検定と称される検定で、3つの検定を行っても、有意水準を担保されるために多重性を考慮した比較検定を行います。

図2

上図はある測定値の3群比較を箱ひげ図で表したものです。平均値±標準偏差で表した折れ線グラフも良く目にしますが、この箱ひげ図によるグラフ表記も非常に有用なため、多用されています。赤い箱の中央の横線が中央値を表し、その上下に25%ずつのデータが入る領域が赤い箱で示されています。上下の伸びたひげの先端が最小値及び最大値を表しています。一元配置分散分析は、まず3群全体の有意差を検定し、有意差が認められる場合は、ad hoc検定でどの2群間に有意差が生じているかを検定します。左図の場合、3群全体で有意差が認められるとすれば、A対Bは有意差が無く、A対C及びB対Cで有意差が生じている可能性があることが分かります。

尚、多重比較の手法としては、Bonferroni法、Tukey法、Schffe法などが有り、目的に応じて使い分けを行います。