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2016.11.14
生物統計学コースのある米国の大学紹介ーその3(エモリー大学)

Department of Biostatistics and Bioinformatics, Rollins School of Public Health, Emory University

今後生物統計学を履修したいと考えている若い人たち向けの米国の生物統計学コースを有する大学の紹介の第三弾は、米国ジョージア州アトランタにあるエモリー大学ロリンズ公衆衛生学部(Rollins School of Public Health, Emory University)です。

エモリー大学ロリンズ公衆衛生学部において、学生たちは同定や分析、および今日の最も緊急の公衆衛生上の問題に携わることを学びます。世界の公衆衛生学の首都と称される本公衆衛生学部の所在地であるアトランタは、CDCとして国際的に有名な「アメリカ疾病管理予防センター」、世界70ヶ国以上で人道支援活動を行う国際協力NGO であるThe Cooperative for Assistance and Relief Everywhere「CARE」、アメリカ癌学会、ジョージアが生んだアメリカ合衆国元大統領ジミー・カーター氏が活動拠点としているカーターセンター、米国関節炎財団、多数の州および地域保健機関、そして、患者のケア、教育、および健康関連の研究プログラムを有するエモリー大学のWoodruff健康科学センターのホ-ムグラウンドでもあります。これは、世界有数の公衆衛生機関とのハンズオン研究や連携、さらに国内および国際機関との学際的な活動にとって理想的な環境となっています。

    emory2 rollins

http://genetics.emory.edu/gc_training/ 及び https://www.sph.emory.edu/rollins-life/orgs/sga/store/index.html

エモリー大学の公衆衛生学大学院プログラムは、コミュニティ指向であり、多くの学生が実際の問題解決の経験を持って入学します。学生は大学に貢献するとともに、健康を促進し、感染症等の疾患を予防するための知識を適用するために、米国50の州と40以上の外国からRollinsのコミュニティに参加しています。

エモリー大学のトップランクの公衆衛生学プログラムは、次の6つの学科、すなわち行動科学・健康教育学科、生物統計学科、環境衛生学科、疫学科、保健政策・管理学科、および国際健康学科にて提供されています。さらに24を超える学際センターを主催しており、 200人以上のフルタイム、博士課程レベルの教員が教鞭をとり、感染症の伝送の数学的モデリングなどの分野、栄養と慢性疾患との関係の探索分野、さらに癌の因果関係や制御を研究する分野等をカバーしています。他の研究対象としては、健康リスク行動の社会的決定要因を同定する研究、エイズ研究、栄養や他の健康関連行動を改善するための教会を通じた健康増進プログラムの開発、職場環境での有害要素の検出とその防止、および健康管理のコストや健康関連資源の配分等の評価などがあげられます。

公衆衛生学のロリンズスクールはエモリーのビジネス、医療、看護、および法科大学院とのデュアル学位プログラムを提供しています。これらのプログラムに加えて、公衆衛生学部と医学部は多くのレベルで協力し合っています。相互に関心の研究分野は、栄養、アルツハイマー病、AIDSの予防と管理、心血管疾患、癌、および有害な生殖関連事象等が含まれます。エモリー・クリニックと連携して、環境・労働衛生部門の医師は、環境健康被害にさらされる人々のための診断および評価システムを構築しました。

ロリンズスクールは、地域としてのいくつかのユニークなリソースを活用しています。代表的なものはアメリカ疾病管理予防センター(CDC)で、この連邦政府機関に対し、大学は300人超える非常勤教員の半分以上の労力を提供し、病気の予防と制御プログラムの開発と応用に取り組んでいます。また、カーター・センターでは、学生の実習の機会を提供する国際的な保健介入プログラムに参加しています。当大学の学生は、教室と現場で子どもの生存と発展のためのタスクフォースを学びます。

☆アメリカ疾病管理予防センター(CDC)全景

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http://www.rtmagazine.com/2015/12/cdc-year-review-whats-next/

インターンとしても、子どもの生存と発展のためのタスクフォースのスタッフから学びます。大学はまた、アトランタに拠点を置く米国癌学会の本部及びCAREの国際本部と共に研究活動を共有しています。このように、多くの学外機関との交流を通じて、実践的な生物統計学を学ぶことが出来るのが、エモリー大学の大きな特徴です。

☆カーターセンター及び元米国大統領ジミー・カーター氏

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http://atlantadailyworld.com/2015/09/09/the-carter-center-atlanta-press-club-to-host-panel-on-mental-health/ 及び http://www.georgiatrend.com/November-2012/The-Carter-Center-At-30-Years/

 

生物統計学部は方法論的研究、共同研究、コンサルティングを通じて、以下のようなユニークな特徴を持っています。

●感染症の解析

●CDCとの密接な共同作業

●大規模な疫学研究の分析

●次世代シーケンシングの解析

●生物医学イメージングデータの分析

●臨床試験の設計と解析 

 

生物統計学科の学生は、分析方法、統計計算、確率論、および多彩な幅広いコースを取り、ロリンズスクールの他の分野で選択科目を取ることも奨励されています。生物統計学プログラムに入学すると、学生たちは統計的手法と理論のコースを取ります。メソッドのコースは、問題の異なる種類に適した統計的手法を選択し、適用する方法に焦点を当てます。理論コースでは、統計的手法の基礎となる正式な数学的理論を学習します。 

 

以下に生物統計学科のプログラム一覧を載せておきますので参考にして下さい。 

BIOS 500 (3) Statistical Methods I

BIOS 500 Lab (1): Prerequisites: Concurrent enrollment in BIOS 500.

BIOS 501 (3) Statistical Methods II

BIOS 501 Lab (1): Prerequisites: BIOS 500 and BIOS 500 Lab

BIOS 502 (2) Statistical Methods III

BIOS 505 (4) Statistics for Experimental Biology

BIOS 506 (4) Biostatistical Methods I

BIOS 507 (4) Applied Linear Models

BIOS 508 (2) Introduction to Categorical Data Analysis

BIOS 510 (4) Introduction to Probability Theory

BIOS 511 (4) Statistical Inference I

BIOS 512 (4) Probability Theory I

BIOS 520 (2) Clinical Trials Methodology

BIOS 522 (2) Survival Analysis Methods

BIOS 524 (2) Introduction to Analytic Methods for Infectious Diseases:Prerequisites

BIOS 526 (3) Modern Regression Analysis

BIOS 531 (2) SAS Programming: Prerequisites

BIOS 532 (2) Statistical Computing: Prerequisite

BIOS 536 (2) Modern Nonparametrics and Regression Methods

BIOS 540 (2): Introduction to Bioinformatics

BIOS 550 (2) Sampling Applications

BIOS 551 (2) Sampling Theory

BIOS 560R (VC) Current Topics in Biostatistics

BIOS 590R (1) Seminar in Biostatistics

BIOS 597R (VC) Directed Study

BIOS 598R (VC) Special Projects

BIOS 599R (VC) Thesis: Master’s thesis research

BIOS 707 (4) Advanced Linear Models

BIOS 709 (4) Generalized Linear Models

BIOS 710 (4) Probability Theory II: Prerequisites

BIOS 711 (4) Statistical Inference II

BIOS 722 (2) Advanced Survival Analysis

BIOS 723 (4) Stochastic Processes

BIOS 724 (2) Analytic Methods for Infectious Disease Interventions

BIOS 726 (2) Applied Multivariate Analysis

BIOS 732 (2) Advanced Numerical Methods

BIOS 735 (2) Estimating Function Theory

BIOS 736 (2) Statistical Analysis with Missing and Mismeasured Data

BIOS 737 (2) Spatial Analysis of Public Health Data

BIOS 738 (2) Bayesian and Empirical Bayes Methods

BIOS 739 (2) Longitudinal Data Analysis

BIOS 740 (2): Bioinformatic Machine Learning

BIOS 745R (1) Biostatistical Consulting

BIOS 760R (VC) Advanced Topics in Biostatistics

BIOS 777 (1) How to Teach Biostatistics

BIOS 780R (1) Advanced PhD Seminar

BIOS 790R (1) Advanced Seminar in Biostatistics

BIOS 797R (VC) Directed Study

BIOS 798R (VC) Special Projects

BIOS 799R (VC) Thesis: Dissertation research.