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2017.06.08
生物統計学コースのある米国の大学紹介ーその6(ジョージタウン大学)

Department of Biostatistics, Bioinformatics & Biomathematics, Georgetown University

今後生物統計学を履修したいと考えている若い人たち向けの米国の生物統計学コースを有する大学の紹介の第六弾は、米国ワシントンDCにあるジョージタウン大学です。

 

ジョージタウン大学のロゴ

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(https://www.georgetown.edu/academics/academic-programs)

首都ワシントンD.C.は、日本から寄贈された桜で有名なポトマック川の北岸に位置し、南西をバージニア州に、北東をメリーランド州に接しているわずか177平方キロメートルの地域です。ウイキペディアによると2010年度国勢調査による人口は約60万人で全米24位ですが、昼間は近郊からの通勤者により人口100万を超えると言われています。このワシントンD.C.を中心に、メリーランド州、バージニア州北部、ウェストバージニア州の最東部2郡を併せた地域はメトロポリタンと呼ばれ、その人口は約560万人で全米7位となります。ここにはホワイトハウス、連邦議会、連邦最高裁判所など連邦機関が集まるとともに、多くの記念建造物やスミソニアン博物館なども置かれています。特に目を引くのが高さ169メートルのワシントン記念塔です。この美しい石柱の建造物は、それを取り巻く多くの星条旗とともにザ・アメリカを象徴するものといえます。さらに、世界170か国以上の大使館に加え、世界銀行や国際通貨基金 (IMF) の本部も置かれています。

 

ワシントンモニュメント(2016年8月4日撮影)

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ジョージタウン大学の位置するジョージタウンの街は、ワシントンD.C.の中心部よりも古くからあり、1696年にヨーロッパ人によって建設され、イギリス植民地の一部でしたが、1751年に「タウン・オブ・ジョージ」として設立されるとともにアメリカ独立戦争後は、連邦コロンビア特別区の独立市政となり、「コロンビア特別区ジョージタウン市」となりました。さらに、1871年にワシントン市に併合され「ジョージタウン」となるなどわずか建国200年あまりの歴史の浅いアメリカにおいて、この街はそれなりの歴史を感じさせる風景を有しています。(http://www.link-usa.jp/us-dictionaly/archives/2008/05/28_210600.html

 

ジョージタウンの風景(2016年8月4日撮影)

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さて、Biostatistics、Bioinformatics及びBiomathematics学部は、ジョージタウン大学メディカルセンター内の学術教育部門に属しています。 ジョージタウン・ロンバルディ総合癌センター(LCCC)との幅広い共同研究に携わり、生物統計学の修士課程のプログラムを提供するとともに、ジョージタウン大学医学部生および生物医学大学院生への教育サービスコースを備えています。国立がん研究所(NCI)の生物統計学及び生物情報に関する共用的資源としてLCCCは指定されており、臨床、基礎科学、および人口科学の観点から、生物統計学、生物情報学、生物数学の専門知識を持つLCCCおよび大学の研究調査員との協議および協力を伴うGeorgetownコミュニティ全体の研究プロジェクトを提供しています。

また、教職員たちは生物統計学、生物情報学および疾患の予防と治療の両方に貢献する生物統計学的方法論に関する独自の研究を行っています。 彼らの独立した共同研究は、国立衛生研究所(NIH)、国防総省、児童全国医療センターなどの団体からさまざまな助成金を得て行われています。 さらに、新しい生物統計学的方法論の開発と、がんおよびその他の生物医学研究分野の予防および治療における重要な研究プロジェクトに関する共同研究の両方において積極的な研究プログラムを維持しています。

 

ジョージタウン大学の風景(2016年8月4日撮影)

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当学部の教授は、100を超える統計および生物情報学の出版物を執筆し、様々な生物医学研究分野で200以上の出版物を共同執筆しています。私たちの共同研究は統計的方法論的研究を推進し、得られた革新的統計的方法は科学的調査に有益なものとなっています。 

学生に提供されるプログラムでは、生徒はまず生物統計学の知識を築き、疫学や生物情報学のいずれかを専門とすることを選択します。 大学はこれらの関連分野に生物統計学の専門知識をもたらし、幅広い生物医学プロジェクトで協力できる人材を育成することを目指しています。さらに、学界、政府、および業界で行われている健康関連研究を支援するために、計算、定量、および生物医学の総合的なトレーニングを提供しています。 生徒は、疫学と生物情報学を支える定量的および計算的ツールを取得するだけでなく、これらのツールを生物学および健康科学に応用する際の実質的な経験を得ることができます。 クラス内の指導には実践的な訓練の機会が設けられています。 特に、毎日のワーク、コンサルティングコース、capstone paperを使用して、新しく獲得した知識を実際に身に着けることに重点を置いています。 今日のライフサイエンス研究では、これまで以上に多くの分野のスキルの統合が求められています。 この必要性に対処するためには、データ分析および情報科学ツールに焦点を当て、幅広い生物医学情報のデータベースを活用する人材を育成することが不可欠です。 そのように教育を受けた人材は、健康科学における多くの現在および将来の問題を解決するために必要な学際的なチームの一員として、非常に貴重なメンバーになるであろう。 

本プログラムは、生物統計学、生物情報学及び生物数学部とジョージタウン大学メディカルセンター(GUMC)の基礎科学と臨床学科の教員を集めており、その多くはロンバルディ総合がんセンター(LCCC)のメンバーです。LCCCは、基本的および臨床的ながん研究の卓越性とがん予防および管理の研究を統合したNIHで指定された約40の総合的ながんセンターの1つです。GUMC基礎科学部門とLCCCは、最新の理論研究とその定量的スキルの応用のために、学生に優れた環境を提供しています。 

生物統計学者の訓練の成功のカギは、統計、生物統計学、生物情報学、そして疫学における中核的知識の獲得にかかっています。 私たちのカリキュラムは、学際的な研究努力に効果的に参加するための統計理論とそこで用いられる用語の十分な知識と、生物情報学と疫学の専門的なスキルを備えた、データ分析におけるコア分野の役割を明確に理解する力を得ることが出来るものです。 

バイオ統計学の修士号・博士号を取得すれば、学術研究センターや製薬/バイオテクノロジー業界の研究職としての地位を得たり、民間セクターのコンサルティング会社に入社したりすることができます。

 

ジョージタウン大学の風景(2016年8月4日撮影)

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本大学の研究と種々のコラボレーションの目的は以下の通りです。

  • 基本的な科学、臨床、および人口科学の研究プロジェクト、特に研究助成金の支援につながる可能性のある生物統計学的、生物情報科学的、および生物理学的な側面について、主任研究者および他のクライアントと協力して成果を上げることにあります。
  • Lombardi総合癌センター(LCCC)の臨床試験の計画、臨床研究委員会での積極的メンバーシップ、および提案されたプロトコルの生物統計学的レビューを提供すること、さらにモニタリングによって生物統計学的、生物情報学的および生物学的学術的な情報を提供することにより、すべてのLCCC試験のうち、データおよび安全性監視委員会およびプロトコール審査およびモニタリングシステムに携わること。
  • がん研究およびその他の医療、人口統計および統計調査の計画、実施、分析および解釈のための、生物統計学的、生物情報学的、生物統計学的方法論におけるエビデンスベースの研究調査員、スタッフおよび学生の教育に貢献すること。
  • さまざまな研究プロジェクトの研究者との共同作業で生じる問題について、生物統計学、生物情報学、生物統計学の方法論を研究すること。 

参考のため、下記に修士課程で提供されるコースを紹介します。 

Year 1, Semester 1 (Fall):

BIST 500: Department Seminar (0 credit)

BIST 510: Probability and Sampling (3 credits)

BIST 511: Statistical Inference (3 credits)

BIST 515: Introduction to Statistical Software (2 credits)

BIST 541: Principles of Epidemiology (3 credits) 

Year 1, Semester 2 (Spring):

BIST 500: Department Seminar (0 credit)

BIST 512: Categorical Data Analysis (3 credits)

BIST 513: Survival Analysis (3 credits)

BIST 514: Linear Models and Multivariate Analysis (3 credits)

BIST 917: Practicum (1 credit) 

Summer:

Internship (Encouraged for all full-time students) 

Year 2, Semester 1 (Fall):

BIST 500: Department Seminar (0 credit)

BIST 540: Experimental Design/Clinical Trials (3 credits)

BIST 532: Machine Learning for Bioinformatics (3 credits)

BIST 545: Quantitative Data Analysis & Reporting (2 credits)

BIST 595: Data Science (2 credit)

BIST 918: Practicum (1 credit) 

Possible Program Schedule (for a part-time student) 

Year 1, Semester 1 (Fall):

BIST 510: Probability and Sampling (3 credits)

BIST 511: Statistical Inference (3 credits)

BIST 515: Introduction to Statistical Software (2 credits) 

Year 1, Semester 2 (Spring):

BIST 512: Categorical Data Analysis (3 credits)

BIST 513: Survival Analysis (3 credits)

BIST 917: Practicum (1 credits) 

Year 2, Semester 1 (Fall):

BIST 500: Department Seminar (0 credit)

BIST 541: Principles of Epidemiology (3 credits)

BIST 540: Experimental Design/Clinical Trials (3 credits)

BIST 532: Machine Learning for Bioinformatics (3 credits) 

Year 2, Semester 2 (Spring):

BIST 500: Department Seminar (0 credit)

BIST 514: Linear Models and Multivariate Analysis (3 credits) 

Year 3, Semester 1 (Fall):

BIST 500: Department Seminar (0 credit)

BIST 545: Quantitative Data Analysis & Reporting (2 credits)

BIST 595: Data Science (2 credit)